工作車製作に落とし穴? 失敗続きで陸運局に4度持込

初めての工作車の製作依頼

岡山の中古車屋メジャーの三宅です。中古車販売、持込パーツ取付に加え、依頼があれば工作車、貨物車の製作、構造変更を承ります。

依頼を受けたのは、キャラバンのバンです。普通なら1ナンバーの普通貨物です。

他の中古車店で購入し、当店で工作車を制作して欲しいとの依頼でした。

工作車とはどんなものなのか?下の記事に詳しく書いていますので、先に読んで頂けると分かりやすいと思います。

今まで何度も工作車を造っているし慣れもある、キャラバンは簡単な車だと思っていた。

後ほど判明するのだが、大きな落とし穴が待っていた。

シートを外す必要がない、バンなので固定出来る穴も多いと楽に構えていた。
実際には穴も少なく苦労することになる。

出来れば車に穴を開けたくない、工作台の固定方法をいろいろ考え、写真のように固定することにした。
「作業台は大きくなくていい」との要望で、小さく造ったのだが、それが失敗の始まりだった。

要綱を見落として第一の失敗

工作車 作業台 失敗

工作車の要綱を読み直すと、作業面が1/2以上ないと貨物車として認められないのだった。
要するに1/2以上の作業台が必要になる。

工作車の要綱のベースは貨物車と同じである。貨物車の要綱を満たしたうえで、更に工作台や万力を設置しないといけない。

工作台が荷室の半分以上ないと貨物車になってしまう。

はじめに作った台では作業スぺースが小さすぎて、そのままでは貨物車になってしまう。

元々が貨物車なんだから意味がない、当然作り直しだ。

これまでは寝ることを基準に考えて造っていたので、勝手に1/2以上になっていたのだった。

一回目の大失敗

1回目の持ち込みでは工作車として登録出来なかった。
頭の中には絵が浮かんでいたので、工作部分はすんなり出来た。

出来上がってしまえば「なんだこんなもんか」と思われるだろう。
頭に描きながら、どんな部品を使うか、どんなビス、ステーなどいろいろ考えて実物合わせで作っていく。
思い描いた絵と実際の部品が違う、欲しい部品が見つからないなど苦労も多いのが現状だ。
でも好きなんでしょう、考えて造るのが面白くなっている

合格さえすれば、その後じっくり車造りを楽しめる、頑張って作りましょう。

作業台はこんな感じ、余った材料で作ったので見た目は悪いがとにかく合格するために頑張るのみ

お客様からはとにかく安く造りたい、合格後は自分で作り変えたいとのこと

要綱の範囲内で自己責任でお願いしています。モチロン、これから先も相談に乗りますよ。

2回目の不合格 何と外品HIDが原因

車検レーンでの不合格です。お客様からは、購入した車屋さんが整備しているので車検は問題なく通ると聞いていた。

今回ダメだったのはヘッドライトだ、純正ではない!

テスター場で全てチェックしてから陸運局に持ち込むが、ライトを外品HIDにしている関係でライト調整が上手く出来ないと指摘されたのだった。

もしかしたら合格しないかも.....

折角来たのだから通してみることにしたがやっぱりダメ、構造変更までたどり着けず残念!
また出直しとなった。

まさかのシートベルト 

工作車 シートベルト

シートベルト取り付け後の写真

純正ヘッドライトの球に戻し、ライトを調整、3回目の持ち込みで車検レーンには合格した。

ここまで長かった~、構造変更の測定レーンを通れば工作車の出来上がり!と思っていた。

「工作車でしょ、5人乗るのなら人数分のシートベルトがないと」

想定外のことが起こった。何とシートベルト?

今までは乗用車がベース車なので、シートベルトは気にもしていなかった。
キャラバンはバンなので、2列目シートにはシートベルトが元々付いていない。

検査員から「純正と同じ付け方をしないと通せないよ」と言われ振り出しに戻ってしまった。

さてどうしたらいいのか?これはやばいぞ

純正シートベルトは無いよ 貨物車だから

これには心が折れかけた。先ずは純正シートベルトを探してみることにした。

取引先の部品商に問い合わせ、日産さんに聞いて貰うが玉砕
結果は、部品は販売していないことが判明した。

次に中古部品を探す。
調べると、当時の新車オプションで、リヤのシートベルトは存在したようだ。

中古部品を探したが、シートは見つかったが、シートベルと単体では販売していない。
しかも同じ型のキャラバンではなく、値段も2万円以上と高額だ。

「合格するならそれでもいいよ」と言ってくれたが、確証が得られないので買うことは出来ない。
適合しなければ、タダのゴミになってしまう。

ここまで来たのに行き詰ってしまった。私の心は「ぽきっ」っと音を立てて折れてしまった。

折れた心を救ってくれた 頼もしいメジャーのスタッフ

工作車 シートベルト
工作車 シートベルト

私が休みの間、スタッフの田中、岡本が知恵を出し合って問題を解決してくれていたのだ。
部品取りの車から2点式のシートベルトを3つ用意し加工、取り付けしてくれてた。

シートベルトは命を守るもの、キチンと取り付けないと合格しない。
完璧な出来に仕上がっている

あり合わせのベルト、色もバラバラ、見た目は悪い、それでも合格を確信した。

シートベルトはネットでも安く販売している、しかし合格しなかったらゴミ以外の何者でもない。

それならと、部品取り車や在庫車からシートベルトを外して取り付けてくれたのだった。

ここまで考えて作業してくれたスタッフに感謝しかない。良いスタッフに恵まれて私は幸せ者だ。

4回目の持ち込みでやっと合格 キャラバン工作車完成

工作車 車検証

4回目の持ち込み検査でやっと合格をもらった。

とても勉強になった事案、まさかのシートベルト問題、いろんなことがあるものだ

お客様も不安で一杯だったようだが、喜んでくれて本当に嬉しい。
これからも良いお付き合いが出来そうな方、考え方も似ている。

追記
この件をキッカケに車を買取させて貰ったり、良いお付き合いが出来ています。
これもご縁ですね。頑張って良かった。

今回の記事はエッセイ風の書き口を試してみました。
違和感があるかもしれませんが多めに見てやってください。